日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


2006年12月12日を表示

東京テレビがおもしろい! カンブリア宮殿

「ムダで儲ける経営術 ~社員の能力を最大限引き出す法~」
ゲスト:松浦元男 氏 (樹研工業 代表取締役)
観客:サラリーマン 100人

 収録前に松浦元男氏の著作を読んで、驚いたのは「先着順」という樹研工業の新入社員の採用方法だった。最初は、社員なんて誰がやっても同じだ、というようなニヒリズムかと思ったが、やがてそうではないと気づいた。誰でも同じような可能性と潜在能力があるはずだというポジティブな考え方に基づいているのだ。しかし現状の日本社会ではなかなか理解されづらいだろう。わたしたちの社会には、「すべての人間は平等であるべきだ」という基本的な価値観に加えて、「人間には能力差がある」という大前提があるからだ。



【放送内容】 愛知県・豊橋市にある、樹研工業(じゅけんこうぎょう)。
これまでは大手家電メーカーの下請けが中心の、小さな町工場だった。会社の名が世界に知れ渡ったのは、「世界最小・100万分の一グラムの歯車」がきっかけ。

しかし「小さすぎて、まだ使い道は決まっていない」と、実用化は進んでいない。一見ムダに見えたこの先行投資、『技術開発力』『品質管理』のアピールには十分だった。
トヨタ系自動車部品メーカーや、スイスの時計会社からの受注が相次ぐほか、カメラ付き携帯電話機用のプラスティックレンズ、光通信部品の金型製造で売り上げを伸ばす。現在社員70名。年商30億円。韓国・台湾・シンガポールなど海外にも製造拠点を持つ。

トップ・松浦元男・・・県内の大学を卒業後、セロファン会社に就職。その後プラスチック製品の国際見本市で、
精密機械部品に強く見せられる。会社にカメラ部品の製造を提案したが受け入れられず、1965年、退社。自ら「樹研工業」を設立した。
松浦は、企業人事制度、労務管理など、従来の「会社経営術」をすべて切り捨てている。
採用は先着順、学歴・国籍・性別は一切問わない。元ヤンキーら若者たちが現場を仕切る。
賃金は、年功序列制。出張するときは、全社員がグリーン車使用。
会議は自由参加。残業は申告制。定年制は、ない。

そこで、樹研工業社長・松浦元男に聞く。
ムダで儲ける経営術――常識破りの反管理主義で、社員の能力を最大限に引き出す方法とは?―そして松浦の目に、ものづくりニッポンの未来はどう映っているのか。

【今夜の一言】
「お金持ちになることを考えてはいけません。有名になることを考えてはいけません。偉くなろうと思ってはいけません。これは人生の結果であって、これを目的にすると、とんでもないことになる」



 戦後、民主主義が少しずつ浸透して「平等」の概念は社会にかなり刷り込まれているが、平等と能力差の関係についてたとえば8歳の子どもに説明するのは非常にむずかしい。平等が「みんな同じ」あるいは「みんないっしょ」であると誤解されているせいもある。平等とは「人には等しく基本的人権が保障されている」ということで、誰もがみな同じ、ということではない。

 また、「すべての子どもは無限の可能性を持っている」という教育における常套句がある。高度成長のころはほとんどすべての国民が一様に豊かになっていったので、その常套句は曖昧なままとりあえず信憑性を維持してきた。だがバブル後に忽然と姿を現した「市場主義の競争社会」は、結果的に能力差を前面に押し出すことになった。勝ち組・負け組という無意味でかつ弊害の大きなキーワードが生まれ、子どもたちは負け組に入るのを怖れ、チャレンジを怖がり、社会の手前で立ちすくんで、いわゆるニートと呼ばれる若者が登場した。



 実は、「すべての子どもは無限の可能性を持っている」という一文には、前文が必要なのだ。「その子どもがモチベーションを持つことができた場合に限り」というものだ。才能というのは、あることをいくら考えてもいくら勉強してもいくら実験してもいくら作業しても「飽きない」ことを指す。だから、いくら時間と知恵を費やしても飽きないというモチベーションを持った人は、必ず成功する。松浦元男氏は、そのことを理解しているのだ。

 松浦氏がどのような経緯でそのことを理解したのか、わたしにはわからないが、そのような考え方は試行錯誤の後に身につくといったものではない。あるタイプの人間には最初からあるものだ。どんなタイプかというと、それは徹底した合理主義ということに尽きる。あらゆるイデオロギーは人を裏切るときがあるが、科学的な合理主義は決してわたしたちを裏切らない。   

 2006年8月28日(月)放送



12月12日(火)00:35 | トラックバック(0) | コメント(3) | 社長日記 | 管理


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