日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


2010年2月18日を表示

卒業記念アルバム寄稿

いつの時代でも大切なもの
 
 皆さんは、今、どこで、何をしながら、この卒業アルバムを見ているのでしょうか。
 皆さんの記憶の中で、キラキラと輝いている小学生時代。お世話になった先生や地域の方々、友だちの笑顔は憶えていますか。
 通学路や校舎、美路川沿いに咲き誇る桜や菜の花、校庭の銀杏の木は憶えていますか。「吉水小学校」の六年間では、色々なことを学び、大切な人や場所、好きな言葉や音楽と出逢いましたね。
 
 皆さんは、これから、生きていることが素晴らしいと知ることでしょう。しかし、その意味を知るために生きるのでなく、もっと大切なものがあります。「人は自分以外の、誰かの何かのため、懸命に生き抜くこと」です。そのことを期待しています。
 皆さんの人生の原点は家族ですね。先祖から尊い命を受継ぎ、今、生かされています。  
愛情や願いが込められた名前は、「人生の歩き方」として贈られたものです。名前には、素晴らしい意味があります。自分のことだけで精一杯な大人にならないように、人生を歩んで下さい。
 
 さあ、友と語りましょう。広い世界へ出かけましょう。本当の価値を知りましょう。
歩き疲れたら、ふるさと「よしみず」で心を休め、また歩き出しましょう。



I never had any friends later on like the once I had when I was twelve. Jesus, does anyone?


 皆さんが、人生の節目で、繰り返し、観て、読んで欲しいものをご紹介いたします。
 
 はじめに、それぞれに心の傷を持つ、十二歳の少年たちのひと夏の冒険を瑞々しく描いた青春映画「スタンド・バイ・ミー」(僕のそばにいて)です。タイムマシーンがなくても、十二歳の自分に戻れ、懐かしくかけがえのないときを振り返りながら、大人になるにつれて大切なものを無くしていくという寂しさに心を揺さぶられます。「あの十二歳のときのような友だちは、もうできない、もう二度と・・」言葉が心に残ります。



スタンド・バイ・ミー 1986年アメリカ公開。    アカデミー脚色賞にノミネート。ゴールデングローブ賞受賞。また、べン・E・キングが歌う同名の主題歌もリバイバル・ヒット。原作は、スティーヴン・キングの中編集「恐怖の四季」の中に納められた秋の物語「THE BODY」。



「人間は、いつの時代でもたのもしい人格を持たねばならない。男女とも、たのもしくない人格に魅力を感じないのである。」


次に紹介するのは、佐野市にも縁のある国民的歴史家であり、小説家の司馬遼太郎先生が小学六年生の国語の教科書のために書いた「二十一世紀に生きる君たちへ」という、素晴らしい文章です。内容は、最初に司馬先生の歴史観をわかりやすく語り。「人間の生き方の基本的なこと」は、いつの時代も変わらない。自然に生かされている。孤立しては生きられない。そう説いて「生きていくうえで、欠かすことができない心構え」を語りかけています。
「自分に厳しく、相手にはやさしく。他人の痛みを感じること、いたわり、やさしさ。それらを訓練して身につけることで、自己が確立されてゆく」と丁寧に格調高く「君たちはつねに晴れあがった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。同時に、ずっしりとたくましい足取りで、大地を踏みしめつつ歩かねばならない」と言っています。  
しかし、偉大な作家は、もういませんが、本を読むことで、大切なものに気付いて頂きたいと願います。

結びに、子どもたちの想い出が詰まった立派な卒業記念アルバムが完成しました。一年以上の期間をかけて制作にご尽力を頂いたアルバム委員六名の方々のお陰です。
保護者を代表し厚く御礼を申し上げます。



「龍馬がゆく」「坂の上の雲」など数々の名作を残した司馬遼太郎先生は、佐野市での敗戦体験が、その後の作家生活の原点になったと言われている。     
1987年5月に初めて子ども向けに書いた随筆「一編の小説を書くより苦労した」と語っている文章は、大阪書籍の『小学国語』(6年生、下)に収録、発表された。
司馬遼太郎記念館
TEL 06-6726-3860
http://www.shibazaidan.or.jp/

卒業記念アルバム寄稿 (PTA会長)






2月18日(木)07:50 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小学校PTA顧問 | 管理


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