日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


登山ツアー死亡事

トムラウシ山は、大雪山の奥懐にある。
アイヌ語で「花の多いところ」を意味するそうです。




東京都内に本社がある旅行業者が主催した「北海道大雪山系のトムラウシ山での登山ツアー」で、参加者が死亡する事故が発生した。

北海道警察によると、参加者15名と引率者(ガイド・添乗員)3名のうち参加者7名と引率者1名が悪天候の影響により死亡した。

残る8名はすでに生存が確認された。

これを受けて旅行業者では、ウェブサイト上に謝罪文を掲出するとともに、大雪山系ツアーを催行中止することを決定。
また、旅行業者の社長は、17日の記者会見で辞意を表明した。

登山ツアーについては、今年3月に解散した旅行業ツアー登山協議会が2004年に「ツアー登山運行ガイドライン」を策定し、コースの難易度に対応した引率者の比率(ガイド・レシオ)を目安として表示。

旅行業者の担当者によると、同社ではかねて「安全第一」を掲げ、ガイド・レシオよりも多い比率となるよう引率者の数を設定していたという。

トムラウシ山ではすでに「17回から18回はツアーを催行してきていた」といい、これまで問題は発生していなかった。
事故の原因については「(衰弱により病院で手当てを受けていた)ガイドの体調が戻ってきたところ」のため、詳細はわからないという。
なお、トムラウシ山以外のツアーの催行については、現在検討中の段階だ。

こうした流れを受けて、旅行業協会もガイドラインの見直しなど、情報収集や事実確認をできる限り早く会合を開催して欲しいと思います。



真狩村から羊蹄山に向かう。



ツアー登山で事故が発生した場合、旅行業者以外にもガイドの責任が追求される。
その責任は自主登山におけるリーダーとは比較にならないくらい重い。
しかし、ツアー登山といえども、参加するからにはある程度、危険が伴うことは承知していなければならない。

体力もないのに無理な登山ツアーに参加することは許されない。

次の本にもそのような解説がある。
横溝康史2007「登山の法律学」東京新聞出版局
上記のことは当然のことと思われるが、実際に参加する人には必ずしも常識となっていないように感じる。
最近同年輩のシニアの方と話をしていると、ツアー登山に行くという人によく出会う。
その人たちに、なぜ「自分たちだけで行かないのか」と尋ねると「コースがわからない」という返事が返ってくる。基本的な知識や装備もない人がツアーに参加している場合があるようだ。


羊蹄山ツアー登山事故(札幌地方裁判所平成16年3月17日判決)は有名だ。平成11年9月の羊蹄山ツアー事故で二人の客が凍死した事故について、添乗員の刑事判決を肯定したものである。

この事故を契機として旅行業ツアー登山協議会が発足され、公正な取引の維持、安全確保、旅行者の利便の増進に勤めていた。
しかし、旅行会社の低価格・低コスト志向が続く限り、ガイド一人当たりの登山客の数は多くなり、安全な登山は難しいのではないだろうか。

昨年、富士山強力の話を伺った。
2004年10月1日、富士山頂で72年間にわたって気象観測を続けてきた富士山測候所が無人化されました。
世界最大級の気象レーダーで日本本土をうかがう台風の監視や天気予報の正確性向上など、日本人の生活に与えたその貢献度は計り知れないものだったと思います。

その陰には、冬は氷点下30度、時には風速40㍍もの嵐が襲うという過酷な自然環境と戦いながら観測を続けてきた勤務員や、それを支えた人々が居たことは忘れてはならないことです。

その中でも、人力で山頂まで生活物資を届け、決してスポットライトを浴びることなく、富士山測候所を支える生命線として黙々と活動していた強力という存在。
殉職者を出しながらも凍て付く氷の山を、一度に30kgの荷物を背負いながら登山した超人的な強力の話でした。・・・。まだ、いるそうです。「強力」

「ごうりき」です。

http://www.fujitozan.jp/welcome/index.htm



7月21日(火)22:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | 社長日記 | 管理

コメントを書く
題 名
内 容
投稿者
URL
メール
添付画像
オプション
スマイル文字の自動変換
プレビュー

確認コード    
画像と同じ内容を半角英数字で入力してください。
読みにくい場合はページをリロードしてください。
         
コメントはありません。


(1/1ページ)