日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


火山と「星に導かれて旅する人々」が作った楽園

ハワイがアメリカ合衆国の50番目の州となってから、2009年は50年目の節目の年を迎える。

ハワイには、3000万年以上前から脈々と続く大自然、それに育まれた人類の歴史を感じられるスポットがあり、「州」となった50年の間にも刻々と変化しつづけ、魅力を増している。

先史時代の移住者たちは文字を持たず、口承伝説や絵、舞踊(フラ)などで習慣や文化を継承していた。

ハワイ各地に残されているペトログリフと呼ばれる線刻岩絵もその一つだ。
例えば、コハラ・コーストにあるワイコロア・ビーチ・リゾートの周辺には、雄大な溶岩原のあちこちに驚くほど多様でユニークな意匠、パワフルなメッセージが刻み込まれたペトログリフが点在している。

多様な絵の中に、亀などの動物、狩りをする人間の姿にまじって、大きな双胴船があり、船の周辺には星座と見られる絵も刻まれている。

スターナビゲーション(星座を基準にした航海術)で、壮大なスケールの旅をした先史時代の人々の思い出が刻まれているのだろう。
素朴な線画だが、見る人の心を強く揺さぶるメッセージが感じられる。



大きな8つの島と130近くある小島や岩礁からなるハワイ諸島が誕生したのは、約3000万年舞えと考えられている。
ハワイ諸島の最北西にあるクレ環礁が、地球の奥深くにあるホットスポット(マグマ溜まり)から噴出した溶岩によって形成されたのが、その始まりだ。
ハワイ6島の中ではカウアイ島が一番古く、約500万年前に生まれた。

現在も活発に火山活動が続いているビッグ・アイランド(ハワイ島)は約100万年前に生まれたと考えられている。

 真っ赤に燃える溶岩が静まって大地となり、そこに動植物が生育できるまで、何百万年もの年月がかかった。
ハワイ諸島に最初に人間が住み着くようになったのは、日本で聖徳太子が活躍したとされる時代の紀元500年から700年の間であったと推定される。

この人々は、南太平洋のマルケサス諸島からやって来たポリネシア人と考えられている。
マルケサス諸島からハワイまでは、およそ3500キロ。



太陽や星で位置を測り、風の波だけを頼って、海上を旅して来たのだ。

ハワイの神話に登場する、小柄ながら強靱な肉体と意思を誇った「メネフネ族」と呼ばれる人々が、この最初の移住者だったという説が有力だ。

さらに12世紀になると、4000キロにあるタヒチから多くの人々がやって来て、ハワイの各島に分散。
大規模な神殿や潅漑施設、養魚場まで作り、タロイモなどを中心とした農業の基盤を整えたという。



ハワイ諸島最大の島、ビッグ・アイランドは、世界で最も活発な火山活動が観測されている場所だ。
とりわけ島の南東端にあるキラウエア火山(標高1247メートル)は20世紀以降、50回近い噴火が記録されており、今もときおり海に向かって真っ赤な溶岩が流れ落ちる。
山域はハワイ火山国立公園に指定され、1987年にはユネスコの世界遺産にもなっている。
ちなみに、キラウエア火山のハレマウマウ火口には、ハワイの伝説の中で最も有名な火の女神ペレが住んでいると信じられている。
ペレは、出会ったすべての男性を魅了してしまうほどの美女でありながら、極めて身勝手で凶暴な性格でもあるという。
火山の心奪われるような美しさと、その強大で危険なパワーへの畏怖心が、そのまま「ペレ」として神格化されたと思わせる強いロマンを感じる神話だ。
また、の中央部にそびえ、世界で最も天体観測に適した場所とされる標高4205メートルのマウナケアも活火山だ。
日没と星の観察を組み合わせたツアーは、ハワイ観光の中でも最も人気のあるものの一つだろう。

 大自然の膨大な力を見せ付ける火山を、ハワイの人々が神の姿そのものとして崇拝し、大切にしてきたことは当然といえる。
火山の周辺にはしばしばヘイアウ(古代ハワイ人が作った聖域)が残されており、最近はハワイを「スピリチュアルなディスティネーション」としてとらえ、心の旅、癒しの旅を求めている人も増えてきた。
そうした人々に注目されている「パワースポット」の多くが、火山と深いつながりがある。

 例えば、マウイ島のハレアカラは3000メートル級の世界最大の休火山だ。
この火山のクレーター周辺をめぐるトレイルを歩けば、かつての火山活動の激しさとスケールの大きさを体感できる。
映画『2001年宇宙の旅』のロケ地として選ばれたのも、この地球とは思えない景色のためだろう。
ハレアカラとは「太陽の家」を意味する。
古代ハワイの伝説で活躍する半神半人のマウイが、一日を長くするためにこの山に太陽を閉じこめたのだといわれている。
この太陽を抱く山のパワーを最も感じられるのは、頂上から日の出を眺めるときだろう。



12世紀初頭にタヒチから人々がやって来た後、ハワイは600年近く外界との接触が途絶えていた。
他のポリネシア周辺から人が来なくなった理由は、歴史学でも定説がない。
1778年に英国のジェームス・クックに「発見」されるまで、ハワイはポリネシア文化を基礎にしながら、独自の文化を育んでいた。

 大自然の森羅万象に神がやどる信仰は、創造神「カネ」、収穫を司る「ロノ」、戦の神「クー」、そして海と闇の世界を司る神「カナロア」の四大神を中心に、複雑な構造を持つ伝説を生み出していった。
人々は神聖な場所や身近にヘイアウを築き、神々に祈りを捧げ、フラを踊って霊力の恩恵にあずかろうとした。ビッグ・アイランドのプウホヌア・オ・ホナウナウ国立公園のように、巨大なヘイアウの跡が残されている場所はハワイ各地にあり、今もパワースポットとして神聖視されている。
また、ホエールウォッチングや美しい灯台で人気のあるオアフ島のマカプウ岬には、へ移る前に、火の女神ペレが一休みした「椅子」といわれる岩があり、古代ハワイアンの信仰の場としても注目したい。

 古代ハワイ文化として注目したいもう一つのポイントは「サスティナビリティ」だろう。
人々は早期から、島々の自然が持続可能となる生活形態を築いてきた。
その維持ために、マナと呼ばれる神聖な力を畏怖し、カプ(禁忌)が細かく定められた。
例えば、ロコと呼ばれる一種の養魚場を作ったり、飲料水の確保に欠かすことができない渓流を保護するために上流部への立ち入りを禁止したり、王族が使う鳥の羽も、鳥を殺さないように一羽から数本ずつ採取したなど、エコロジー的な知恵に満ちた慣習が幾つもあった。自然の恵みを尊び、すべてのものを大地や海に返すことで、再び恵みを受けることができると信じていたのだ。1819年にカプは廃止されたが、ハワイの人々の心には、今も自然を大切にする思いが強く残っている。
「マナとエコ」は、ハワイで新しい関心をひくテーマのひとつになりそうだ。

~ハワイ・スペシャリスト~
ハワイ州誕生50周年記念特集



2月14日(土)07:13 | トラックバック(0) | コメント(2) | 旅行業界情報 | 管理

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コメント

 1: ハワイに行きたい

社長のブログを楽しみに拝見しています。
様々な分野でご活躍をされている様子が手に取るように
わかり、身近な存在に感じています。

私は、熊本県に住んでいるのですが、もう何年も海外旅
行に行っていないで機会があれば、ハワイに行きたいと
思っています。

ハワイ・スペシャリストとしてご活躍を応援しています。


 by 水前寺の長友  | 2月15日(日)20:45

 2: 水前寺の長友様へ

水前寺の長友様へ

コメントありがとうございます。
ハワイは良いとこですね。

きっとハワイ行きのチャンスに恵まれますよ。
その時までに、ハワイの楽しみ方の研究も
しておいて下さい。

熊本県も良いところがたくさんあり、仕事では
御世話になっています。
良い情報がありましたらお知らせください。


 by 日本ブライト旅行社長 | HP | 2月15日(日)21:37


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