教育旅行カルテルの疑い |
|
| 公正取引委員会は3月11日、岡山市の公立校の修学旅行代金について旅行会社5社がカルテルを結んでいた疑いがあるとして、5社の支店を立ち入り検査した。
旅行会社は、JTB中国四国、近畿日本ツーリスト(KNT)、日本旅行、トップツアー、東武トラベルの5社。疑いは独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の違反で、5社ともに立ち入り検査を受けたことを認めている。
関係者によると、各社の修学旅行担当者は2007年以降、同市内の中学校が実施する修学旅行の旅行代金について話し合い、代金の中に、一定以上の割合の企画料や手数料を含めることで合意。 また、貸し切りバスの料金についても、移動距離や日数などに応じて共通価格を設定していた疑いが持たれている。
岡山市教委によると、市立の37中学校が今年度実施した修学旅行の行き先は沖縄が18校と最も多く、次いで九州(16校)、東京(2校)、長野(1校)と続いた。
日程はいずれも2泊3日で、代金は5万~6万円と、一般のパック旅行よりもやや割高に設定された。
日本修学旅行協会によると、修学旅行市場は大手旅行会社数社がシェア(占有率)の大半を占めており、カルテルが結ばれやすい土壌にある。
今回立ち入り検査を受けた5社は、1999年にも近畿地区で修学旅行代金のカルテルを結んでいたとして勧告を受けている。 この際は、そのほかの4社と共同で、大阪府の府立高校や私立高校の修学旅行について、手配料金の料率や共通の見積金額の算定方式を共同で決定しているなどの事実が認められた。
中学校が実施する修学旅行の見積もり合わせや入札で、値下げ競争を防ぐため、事前に話し合いで各校ごとの代金を取り決めるカルテルを結んでいたとしている。
カルテル 事業者や業界団体が互いに協議して価格や販売、生産数量などを取り決め、競争を制限する行為。 価格を不当につり上げ、経済を停滞させることなどから、独占禁止法で禁止されている。海外の同業者とこうした協定を結ぶのも国際カルテルで違法。 違反事件としては、オイルショック直後の1974年の石油ヤミカルテル事件が知られる。
もし、事実であれば、子供や保護者の修学旅行への期待を台無しにする行為です。 そして、値下げ競争への警笛となって欲しいですね。
| |
|
3月11日(水)22:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 旅行業界情報 | 管理
|