日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


世直しバラエティー「カンゴロンゴ」

NHK総合テレビ 世直しバラエティー
謎の人生相談師「カンゴロンゴ」が迷える現代人を救う。

今回はネットカフェに寝泊まりしているうち人生への意欲を失ってしまった男におくる言葉!

国の政策によって、この20年間で大学院生は4倍に増えた。
しかし、就職氷河期とぶつかったため、博士号を取っても就職率は60%ほど。残りは非正規労働者として不安定な暮らしを余儀なくされている。

今回の主人公は大学の非常勤講師をリストラされたフランス語教師(河相我聞)。
妻にも去られ、ネットカフェで寝泊まりしているうちに、次第に人生への意欲をなくしていった。

日雇い先で知り合った女性(宮地真緒)に好意を寄せられても、頑なに心を閉ざし、孤立するばかり。

カンゴロンゴはこの男に生きる力を取り戻させることができるのか?

お言葉は
【兵法三十六計】「上屋抽梯(二階に上げて梯(はしご)を外す)」
【俗諺】「貧すれば鈍す」  
【漢詩】「人間到る処青山あり」 

【出演】平幹二朗,夏川純,有吉弘行,ダンディ坂野,河相我聞,宮地真緒,村中玲子
【解説】明治大学教授…加藤徹
【コメンテーター】ビジネス評論家…宋文洲


人間到る処青山あり [にんげんいたるところせいざんあり]

「人間到る処青山有り」は「故郷にこもらず、外の広い世界に出てゆこう」という意味です。

出典は江戸時代の僧、月性(げっしょう 1817年~1858年)が若いときに書いた漢詩です。
「男児 志を立てて郷関を出ず
 学 若し成る無くんば復た還らず
 骨を埋む 何ぞ期せん墳墓の地
 人間到る処青山有り」
(ダンジ、こころざしをたててキョウカンをいず。ガク、もしなるなくんば、またかえらず。ほねをうずむ、なんぞキせんフンボのチ。ニンゲンいたるところセイザンあり)

この詩の意味は「わたしは、学問をきわめるため、これから遊学の旅に出る。男たるもの、志をとげるまでは、故郷に戻らない。旅先で死んでもかまわない。人の世のなか、どこにでも、骨を埋めるにふさわしい『青い山』があるのだから」というもの。

この熱い漢詩は、中国でも有名になりました。例えば、政治家の毛沢東(1893年~1976年)も、少年時代にこの漢詩を愛誦していました(ただし彼は、この漢詩の作者を西郷隆盛だと誤解していたようですが)。

月性の漢詩に出てくる「青い山」は、中国の文人・蘇軾(そしょく 1036年~1101年)の漢詩をふまえます。蘇軾は、
「是の処 青山 骨を埋むべし」(このところのセイザン ほねをうずむべし)
「青山一髪 是れ中原」(セイザンイッパツ これ チュウゲン)
など、「青い山」を再生の希望の象徴として漢詩に詠みました。

現代日本語では、「人間」をニンゲンと読むと「ヒト」の意、ジンカンと読むと「人の世の中」の意、と慣用的に使いわけます。
しかし昔の日本語では、ニンゲンと読んでもジンカンと読んでも、「人の世の中」という意味でした。

織田信長が好んでうたった
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」も「人間界の五十年は、天界の時間でいえば一瞬の夢幻にすぎない」という意味です。
「ヒトの寿命は五十年」という意味ではありません。

今回の相談者・田所仁志は、同世代の若者が就職するなか、大学院に進み、フランス文学を学びました。
まさに「学 若(も)し成る無くんば復(ま)た還らず」
の決意です。仁志の学業は成就しました。が、社会には、自分の専門を生かせる職場がありませんでした。

どん底の日々のなかで、自暴自棄になる仁志。
彼は、仕事先で知りあった桜井翔子(28)の好意も、受け入れることができません。

──「明るいところで、きれいなものを見よう」と彼女は誘ってくれた。
だが今のぼくは、明るいところに出るのが怖い。──

そんな彼も、フランス文学の名作『Le Petit Prince』(星の王子さま)の本だけは、捨てません。

この本のなかに出てくる
「 l'essentiel est invisible pour les yeux 」
(大切なものは、目に見えない──内藤濯訳)
という言葉を、彼は、心のどこかで信じたかったのでしょう。

仁志は、カンゴロンゴに言います。

「私は人を愛せない。それどころか自分さえ愛せない。私はゼロなんです」

カンゴロンゴは仁志に「人間到る処青山有り」というお言葉を贈ります。

「人と人との間には、目には見えないが、美しい青い山があります。」
「その言葉は、願いの言葉です。『人と人との間には、いつもみずみずしい青い山があってほしい』という、人間の希望の言葉です。不思議なことに、人間が希望をもつと、青い山は、たしかに現れる」

仁志は、翔子の愛を受け入れます。
そして二人で、人生の「青い山」を目指すことを決意します。

解説は、明治大学教授 加藤徹先生

中国に詳しい日本人である。中国の古典万般と現代事情に通じ、この番組の「お言葉監修」を務める。アコーデオン演奏等の余技も多彩で、独特の風貌、発声とあいまって、どうみても「芸人」と識別されそうな正真正銘の大学教授である。著書に「漢文力」「漢文の素養」など。中国の古典の魅力を現代人に伝えてくれるガイド役として当代第一級。明治大学教授として、本職、本名を明らかにしているのになぜか「仮面の忍者・赤影」のような扮装をしていることの意味がわからないという声が上がっているが「素顔がわかっても別に」という声もあり、演出サイドは対応に苦慮している。

「希望を忘れた男~高学歴ワーキングプア」の再放送を、11月27日(木)BS2にて午前8時30分から、総合にて11月29日(土)午前3時10分から行います。

第9話は、12月14日(日)午後11時から



11月23日(日)23:45 | トラックバック(0) | コメント(0) | テレビ・映画 | 管理

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