真顔の説得が覚悟の決め手 |
|
| 社会起業家・深田智之さんが、東山温泉観光協会長に就任することが決まりました。
今から1300年前に行基が発見したとされ、かつて画家の竹久夢二や詩人の与謝野晶子も愛した東山温泉。
旅館数は最盛期には33を数えましたが、バブル崩壊の影響で買収や合併が相次ぎ、07年4月現在で22軒に。温泉への入り込み客は92年の約81万人から、06年は約42万人に半減してしまいます。 こうした窮状の中、グリーンピア土佐横浪の再生を手がけた深田さんのもとに、破綻寸前の旅館三館の経営再建の要請が舞い込みます。 2005年秋より、深田さんは株式会社「くつろぎ宿」の社長として「千代滝」「新滝」「不動滝」の3旅館の再建に着手。
徹底的なコスト削減を図るとともに、3館の特色を色分け。 また、宿泊客が湯巡りを楽しめるように、新滝と不動滝を渡り廊下で結んで、温泉地としての魅力アップを図るなど次々と手を打ち、わずか1年半で見事、黒字を達成されました。
以下、2007年6月27日(水)の『福島民報』第2面に掲載された記事です! 『 ひ と ~東山温泉観光協会長に選ばれた深田智之さん 』 いわば“よそ者”の立場から異例の抜てきで会津を代表する温泉地、東山温泉の再生を任された。「失敗も批判もあるだろうが受けて立つ覚悟はある。大きなものを目指す」と吹っ切れた顔で言う。
二ヵ所の銀行系研究所で不動産の有効活用、街の再開発などに携わり、調査を担当したグリーンピア土佐横浪の再生に、独立して起業した会社の社長として格闘。わずか二年で奇跡ともいわれる黒字化を達成したものの国の方針で閉鎖に追い込まれた。
東京に戻り、コンサルタントや講演の日々だったところに、東山温泉の「千代滝」「不動滝」「新滝」の三滝の調査を依頼され、株式会社「くつろぎ宿」を立ち上げて、経営まで任された。
平成十七年十一月の開業から見てきた東山温泉を「歴史、文化、ポテンシャルは十分。湯質もいい。東日本ではもう珍しい芸妓(げいぎ)さんも多い。恵まれ過ぎるぐらい恵まれている」という。「ただ、長期的な展望に立ったまちづくりは課題」と指摘する。
研究所では街づくりが専門だった。 「景観の問題には力が発揮できると思う。東山で働けることを誇りに思えるようにしたい」と意気込む。
家族の元に帰るのもままならないまま突っ走る日々に、さらに大役が加わった。 くつろぎ宿の立ち上げで世話になった金融機関の人の「おしり(任期)は決まっていない。地域のためにやってほしい」という真顔の説得が覚悟の決め手だった。
| |
|
7月3日(火)06:55 | トラックバック(1) | コメント(0) | 旅行業界情報 | 管理
|