日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


「高速ツアーバス 格安競争の裏で」NHKスペシャル

NHK総合 2007年5月2日(水)再放送
深夜【木曜午前】0時10分~0時59分 
 
夜9時、大阪駅から1㎞程離れた民間の駐車場が突如変ぼうします。
およそ40台の超大型バスが頻繁に発着します。
春休みの学生、単身赴任のサラリーマンなど千人を超える乗客が路上にあふれ出します。
ここは東京、九州などへ旅立っていく「都市間ツアーバス」のターミナルです。

2000年に行われたバス業界の規制緩和で高速バス界は大きく変ぼうしました。

「ドル箱路線」と呼ばれ、最も激しい競争が繰り広げられる大阪-東京路線。

かつては8000円台だった片道運賃が格安競争により半額以下に減少しました。とりわけ成長著しいのが、規制緩和によって参入したバス会社を傘下におさめる旅行会社です。

徹底したマーケティング戦略、さらにインターネットを駆使し、客の争奪戦を繰り広げています。 その一方で、下請けのバス会社は、激しい車体の消耗と安いバス代に苦悩しながら、安全運行の努力を続けています。

急成長を続け業界の覇権を握ろうとする旅行会社。激しい安売り競争の中で揺れる下請けのバス会社。そして新興の「都市間ツアーバス」に対し、安全面での警鐘を鳴らすしにせの大手バス会社。一年で一番にぎわう春の観光シーズン、各社はどう動いたのか。

規制緩和がもたらした過酷な競争の舞台裏。



深夜テレビのスイッチを入れたら番組は、高速ツアーバス会社とその下請けの実態を取材したドキュメンタリーでした。

高速バス業界では、ツアーバスの形をとっての新規参入が起こっています。
・定期運行
・募集運行→新規参入の増加

その背景は、規制緩和以降、新規参入の貸切バス会社の増加にともない、運行の相場が下がったこと。この結果、定期運行のバス会社の半額以下でも収支(PAY)ができるのです。 
・定期運行→10名でも催行する。9,000円
・募集運行→30名から催行する。3,000円

素朴な疑問として、なんで規制緩和で相場がさがるのか?

それは、供給側での規制緩和では新規参入の業者が増え、バス運行は、設備産業であるが、実は労働集約産業だから、安く人をやとえばそれだけコストが下げられる。

距離・バスのタイプ等を同条件にしても、下記の値段で受けられるバス会社がある。
例)A社 バス代 315,000円
  B社 バス代 210,000円
つまり、賃金のダンピングです。
供給者余剰の第一段階。

次の段階では、コストを割り込んだ業者が淘汰され、上流と下流でコストの競争力のある業者が、グループ化などの方法で巨大化していきます。



現在は、上流側からのグループ化が進んでいる段階。
ここで、上流側が下流と直結すれば中間コストの削減がはかれるから、さらにコスト競争力は増します。

番組の最後の部分に、このことを示唆する場面がありました。ツアー業者が、直接傘下にあるバス会社に仕事を集約し、別のツアー会社経由の孫請けへの仕事を絞り込んだのです。

番組では、孫請けのバス会社の視点で描かれていたが、ビジネスとして考えると間にはいっていたツアー会社もです。(中間に手配する旅行会社があったのです。)

番組の中で、高速ツアーバス会社の社長は、「規制緩和で運賃が下がることはいいことだ。工夫すれば公示運賃以下で利益をだすことは可能だ」といった趣旨のことを何度か言っていた。また、安全性を確保するために、乗客からのフィードバック(アンケート)をもとに運行業者を選択することを提案しました。

完全市場であれば、たしかに規制緩和は善です。
では、「バスの運行請負」というサービスの市場は、完全市場なのだろうか?
完全市場というのは、すべての情報が完全に共有されている市場ですね。不透明なところが多いと思います。

今のバスツアー会社と運行会社の市場としての関係は、資本力にまさり、設備や大量の従業員をかかえていない需要変動に対応できるツアー会社のほうがプライステイカー(値決め)として優位であることは間違いないです。



今回は、現在の観光業界の特集だった?
下請け会社が泣き、次の段階は、一般利用者(お客様)の市場に対して、価格競争をおこっていくのでしょう。
(栃木県佐野市では、約5年ほど前から始っています。)

ツアー会社とお客様の間でも問題がおこっています。

それは、バスの安全性について完全な情報をもっていない

安全性という質に関する情報をもっていない中で、価格という要素だけでエージェント(旅行会社)を選択し、結果的に安全性に関するコストを削減した業者が優位に選択されています。

これを防ぐためにあるのが、公示運賃のはずですが、実際には有名無実化しています。

完全市場でない市場において、市場原理は完全には機能しません。だから、規制などの介入が必要となりますが規制が有名無実では、矛盾が表面化し事故が増加します。

未来のバス業界がどうなっていくのか?
番組中、ツアー会社が直接バス運行会社を設立した際に、韓国からバスを輸入したら半額だったという話。
※私は、NHKの取材で落としているのが、ツアー会社は、韓国のバスの販売元である。もう少しわかり易くお話しをさせていただければ、韓国製のバスを購入しましょうキャンペーンに利用されているのだと思います。

ツアー会社の社長の就職希望者が、12,000名の応募があり7名採用と入社式やシャンパーンで乾杯を見せたり、大手旅行会社と言っていましたが、40名の社員数で大手とは言わないと思います。(もう少し取材をして欲しいです。)

バスを安い国から買い。
人件費部分も外国人運転手を呼び安く。
というのが次のステップになるでしょう。

海外に子会社をつくって、そこで運転手を採用し、日本の2種免許をとらせた上で、業務委託すれば、最低賃金も無視できます。

『ウィラートラベル』という旅行会社が取り上げられていたが、国の指定している『公示運賃』というのを軽視して、価格競争に拍車をかける。『コストダウンと、安全は両立する』と持論を展開している彼は、自分の言葉に自信を持っていた。
※ 根拠のない自信
(真似をするものがでなければ良いが)

何かを失ってはいけないし、何かを失わせない努力をし続けなければいけない。

彼には、その何かがわからなくなってしまったのだろう。



「高速ツアーバス 格安競争の裏で」NHKスペシャル
を見て思うこと

・規制緩和
・競争激化
・コストダウン圧力
・整備不良
・事故
・業法の明確化
経営者の自覚。理念や生き様を変えないようにすること。
そして、お客様・受入業者・旅行業者の三方良し(Win‐Win-Win)全てが勝利者になる努力と我慢が必要です。

バランス感覚が崩れたら・・・



5月6日(日)18:27 | トラックバック(0) | コメント(0) | 旅行業界情報 | 管理

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