間を持って話す |
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| ことばは生き物です。 時代の流れとともにことばも変化していく。 新たに生れた耳慣れないことばは、時に粗野で品のない印象を与えます。
大人なら制御の利いた物言いをしてもよいでしょう。 同様に、大人としてうまく使いこなしたいのが、話の印象に大きな影響を与える問いです。
話の間を持って話す。
かつて大正の中ごろのこと、「とてもきれいだ」というように言い方が始まって、心ある人は心を痛めたという。 「とても」は、あとに否定のことばを伴なうものときまっていて、「とても考えられない」のようになるのが普通であるのに、「とてもうまい」のように、肯定で結ぶのは、文法上、破格でおかしいのですが、ことばはデモクラッティックなものものだから、変でも、おかしくても、みんなが使っていればそのうちに、文法でも容認されます。
いまどき「とても美しい」をおかしいと言う人はいないです。もっとも、文章では、なお、そういう言い方を避ける人は少なくない。新聞の文章でも使わない。
戦後になって「ぜんぜん」が定を伴なって、「ぜんぜんイカす」「ぜんぜん愉快だ」などと言い方があらわれた。「ぜんぜん」も元来、否定と一緒になって「ぜんぜん話にならない」のように用いられるもので、肯定を伴なうものと同じように、破格の語法です。さすがに、これはまだ完全に容認されてるとは言えません。
破格の表現には、強調、強勢の効果があって、若い人にはそれが魅力になる。
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12月7日(木)13:39 | トラックバック(0) | コメント(0) | こころに残る言葉 | 管理
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