日本ブライト旅行社長のブログ
 
栃木県佐野市の旅行会社社長のひとり言です。
 


「Passion lives here!」

情熱はここにある。トリノ五輪のキャッチフレーズ

 銀盤で表現してみせた村主章枝(25)は、ショートプログラム(SP)で4位につけた。派手なジャンプこそないが、それを補って余りある情感が会場を魅了。氷上のアクトレスは、他の追随を許さない「村主ワールド」で表彰台を目指す。

 「前回とは、会場の雰囲気がまるで違う。前回はお客さんと遠くて、今回はお客さんの呼吸が聞こえる。2回目だけに違います」
 5位で終わった前回のソルトレーク五輪から4年。充実のSPを終え、普段どおりの柔和な笑顔で語った村主。だが、演技に入るときはまるで別人の、張り詰めた情熱的な表情を見せていた。「アクトレス」と呼ばれるゆえんだ。

 「私たち(スケーター)は、自分が感じていることを、見てくれている人たちに伝える努力をしなければならない」

 審判による採点競技でありながら、そうさらりと話す様は、アスリートというよりエンターテイナー。新採点方式の導入で技に気を取られる選手が増える中、村主の演技は異彩を放っていた。

 哀愁を帯びたスパニッシュギターの旋律に乗せ、多彩なスピンや、床を踏み鳴らしてフラメンコを踊るダンサーのようなステップを、感情細やかに披露。

 イタリア入りの際、ミラノ空港で
「Passion lives here!」という五輪のキャッチフレーズを目にした村主は、大いにインスピレーションを受けた。

 「すごく良い言葉をもらった。せっかくここへ来て滑るのだから、イタリア人の情熱を感じたいし、共有もしたい」

 この1年、「情熱」をテーマに演技に磨きをかけてきた村主にとって、まさに運命の出合い。追い風を得た村主は順調な調整で本番を迎え、情熱の国イタリアの観衆のハートを、ガッチリとつかんだ。

 今季は開幕直前の9月、休暇中に突然、右足股(こ)関節に歩けなくなるほどの激痛が走る原因不明のアクシデントに遭い、大きく出遅れた。無理をおして出場した11月のGP第2戦では、ミスを連発して8位。ほかの日本選手の好調が伝わる中、周囲だけでなく本人も「トリノに間に合わないかも」と不安を覚えた時期があったという。

 国内選考が佳境に入った12月のNHK杯でも、SPで転倒して6位発進。しかし、この大ピンチから滑りが変わった。フリーで1位となり、総合2位までカムバックすると、最終決戦となった全日本選手権では今回の代表でただ1人、15歳の浅田真央を抑えて優勝。逆転で2大会連続の五輪キップを手に入れた。

 「たくさんの人の応援で、元気になって、トリノへ来ることができたから、今度は私がみんなを元気にする番。点数よりも、みんなが喜んでくれる顔を選びたい」

 メダルではなく、ハートを狙った演技が、会場との一体感を生む。

 「SPの仕上がりは、全日本のときよりよくなっている。細かいミスがないわけでもないので、ケガが響いているのかなぁ。スピンが遅い。ステップも多少、高い得点につながらない部分があった。明後日までに修正したいポイントをきっちり直します」

 メダルをかけて臨む23日のフリーの曲は、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲2番」。副題は「希望の道」だ。

 「お客さんに光と影、希望の道を示せればいい」。それがかなえば、メダルへの“希望の道”は開ける



2月22日(水)23:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | こころに残る言葉 | 管理

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